2012年6月21日木曜日

ある古参の衆院議員は最近の自民党総務会

かなり踏み込んだ大綱原案だったが、現在はお蔵入り状態。原案に、閣僚になった参院議員は「辞職したものとみなす」との表現があり、これを参院無用論と受け取った参院幹部が猛反発したため。

党内の改憲議論の場も憲法調査会から、新たに発足した新憲法起草委員会(委員長森喜朗元首相)に移った。起草委員会で、憲法裁判所問題を担当する司法小委員会では14日以降、最高裁や法務省、日本弁護士連合会など法曹3者のヒアリングなども実施、意見の集約作業を急ぐ。

司法分野の制度見直しでは今年4月に知財高裁が発足、数年後には裁判員制度の導入も予定されている。知財高裁は経済界や日本弁理士政治連盟などが創設を強く働きかけた。裁判員制度では日弁連などが与野党にロビーイング活動を積極的に展開。政治的エネルギーとなって、いずれの制度改正も実現した。

そのエネルギーに比べると、憲法裁判所創設を求める声はそれほ大きくないようだ。例えば日弁連。憲法改正という高度な政治問題に強制加入団体がからむことが法律上、許されるのかという問題もあってか、憲法改正そのものへの態度もまとめていない。

ある政府関係者も冷ややか。「憲法改正ということで、司法分野を見渡すと海外には憲法裁判所がある。日本でも創設を議論してみよう、という程度の感じがする」

作るとしても、もっとも大事なのはどんな人を裁判官に選ぶかという点だろう。憲法裁判所の言葉だけが踊る感もある現状に、法曹関係者からはこんな声も漏れてくる。「国会議員による憲法裁判所裁判官の猟官運動とは思いたくないが・・・」

その一方で、ある古参の衆院議員は最近の自民党総務会でこんな意見を述べた。「憲法裁判所といっても裁判官は役人。我々、議員の作った法律を役人が覆すわけだが、それでいいのか」。本人によると「大半が賛同する顔つきだった」という。