2014年10月15日水曜日

創造性に欠けたSEなんていらない

SEもまったく同じことが言えるはずである。コンピューターシステムに関する高度な知識と技術。自己の技術に対する強固な信頼。いかなる状況下でも自分の能力を一〇〇パーセント出すことができる強靭な精神力。自分を売り込むことのできる言葉と表現力。自分ひとりだけでも生きていけるオールマイティな能力と独立独歩の精神。このような職人気質に裏打ちされたSEこそが本来のSEの姿であり、これからの時代を勝ち抜いていける真のプロフェッショナルなのである。

さらに現代のSEには創造性も不足している感が否めない。創造性とはモノを作り出す能力のことだが、バーチャルな伊界とはいえモノ作りを本業とするSEにとって、これは致命的と言える。

現代のSEはすでにインフラが整った状態に育った。たとえば、ある企業がイントラネットの構築を考えたとする。イントラネットとは、インターネットを企業内に張りめぐらし、電子メールやホームページの活用によって、于作業や紙に頼ってきた社内の工務工程を電子化し合理化することである。このイントラネットを構築するには、非常に人雑把に分けて次のようなシステムが必要になる。インターネットをペースとする社内ネットワークニ上で作動する事務処理川ソフトウェア、社内情報を蓄積するデータベースである。

数日前であれば、これらのシステムを構築する作業は、ゼロからの出発だった。SEはそれぞれのシステムを自らの創造力だけを頼りに一から構築するしか手がなかったのである。そしてそれがSEの什事であり、それゆえ毀重な経験も身についた。

しかしいまは、ほとんど既存の製品の寄せ集めで構築できてしまう。技術の進歩により、市販のパッケージ製品か市場にあふれているからだ。ネットワーク基盤を構成する製品、社内業務フローを批うグループウェア製品、容易に構築旺能なデータベース製品。SEのやることは、できるだけ実績のある信頼性の高い製品を選ぶこととその製品知識を身につけることだけだ。いわばプラモデルを作るように、すでにある部品を順番どおり組み上げるだけで、それなりのシステムが完成してしまうのである。