このように、ロサンゼルス経済は、地理的条件とは関係がなくなっているように見える。ロサンゼルス住民が生計を立てるためにしていることは、ほとんどが、どこの都市に住んでもできることだ。一八九四年当時、三〇〇万の人たちがシカゴに住んでいたのは、そこが中西部の玄関口であったからであり、背後に農場、森林、鉱山が控えていたからである。ところが、現在、ロサンゼルスに住む一一〇〇万の人たちは、人がいるからそこにいるのである。ロサンゼルスのまちを1000斗口離れたところにそっくり移したとしても、経済基盤はほとんど影響を受けないだろう。
それなら、経済基盤はどうなっているのだろうか。一〇〇年前のシカゴは、なにで成り立っていたのだろう。現在のロサンゼルスは、なにで成り立っているのだろう。がってのシカゴは、力-ルーサンドバーグが端的に語っているように、「世界の食肉取引の中心地」であった。この他、木材や小麦の取引、農機具の製造、石油精製、製鉄などの産業があったことはいうまでもない。一八九四年当時のシカゴは、モノをつくるか、あるいは中継することで成り立っていた。まちを一回りするだけで、シカゴがアメリカ経済、世界経済のなかでどのような役割を果たしているのか、だいたいはつかむことができた。
それでは、ロサンゼルスはなにで成り立っているのだろう。映画産業で働く一部の人は別として、ロサンゼルスの労働者は、他の都市の労働者とおなじように見える。職場、住宅、さらに、まち全体がどこの都市とも、よく似ている(むしろ、最近はどの都市もロサンゼルスに似ているといった方がよいかもしれない)。郊外のモールで、ホワイトカラーの人波がオフィスビルに吸い込まれ、吐き出されてくる様子を眺めたら、ロサンゼルスの経済と、アメリカの他の大都市の経済との違いをあげるのはむずかしいだろう。この面でも、ロサンゼルス経済には、土地柄を感じさせるようなものはなにもない。
ロサンゼルスの職場はなぜ、これほど外見上の特徴がないのだろうか。ロサンゼルス経済が多様化しているからだと、答えたくなるかもしれない。ロサンゼルス経済が見た目だけでなく、生産しているモノも「アメリカに似ている」からだ、という答えが返ってきそうだ。しかし、それは正解とはいえない。最近、ロサンゼルスが深刻な不況に陥っていることを見れば、多様化しているとはいえないけずである。地域経済学では、その地域の「輸出ベース」と「非輸出ベース」を区別することが多い。「輸出ベース」は、国内、国外を問わず域外に売る財・サしビスのことである。「非輸出ペース」は、域内の消費者を対象としており、保険代理店、ファーストフードの店員、歯科医などが提供する財・サービスがこれにあたる。
この分類にしたがえば、ロサンゼルスの輸出ペースが実際には特化していることがわかる。ロサンゼルスにはさまざまな産業があるが、少数の基幹産業、つまり娯楽、防衛、宇宙航空産業に大きく依存している。つい最近、カリフォルニア州南部が不況の波をまともにかぶっているのは、このためだ。世界の航空機受注の低迷にアメリカの国防費の大幅削減が重なり、地域経済全体が落ち込んでいる。しかし、ロサンゼルス経済がそれほど特化しているとすれば、経済学の手法をもちだすまでもなく、一見してわかるはずではないか。ひとつの答えとして、見た目では職業の区別がつかなくなっていることがあげられる。一〇〇年前には、服装を見れば職業がわかることが多かったが、いまでは、ロサンゼルスの航空機メーカーの従業員は、ニュージャージーの薬品メーカーの従業員と区別がつかない。ロサンゼルス経済がとらえどころがなくなっている理由は、ここにもある。
2013年7月5日金曜日
2013年3月30日土曜日
シャッターを押す前に
水とホコリとカビがカメラの健康を害する三大要素ですが、一年のうちでは、やはり梅雨どきがカメラにとっていちばん苦手な季節でしょう。しかし、雨が降りつづいているからといって、写真を撮らないわけにはいきません。雨の日、池に浮かぶ睡蓮の葉に転がる透明な珠。雨滴がつくる円い波紋。葉脈に踏んばって懸命に口を動かす青虫の幼虫。雨にけぶる濡れた歩道を歩く二人連れIちょっと写真を撮りたくなるようなロマンチックな場面に、あちこちでお目にかかれる季節でもあるからです。
雨からカメラを護るのに筆者が重宝しているのが、ホテルに備えてあるような、透明ビニール製の使い捨てシャワーキャップです。縁にゴムがついているのでとても便利です。三脚を使う場合も、これをカメラの上からかぶせるようにしています。雨の日は大き目の傘をさして撮影しますが、少し降りが強いときは、ゴルフ用の上下のレインウェアで武装します。撮影が終わったら、乾いた布でカメラの隅々まで注意深く拭き取ってやります。
カメラは、何かの拍子に落としたりぶつけたり、思わぬアクシデントに見舞われることがありますが、外傷だけで判断するのは危険です。カメラは高級品になると一千個にもおよぶ部品から組み立てられているので、少しのへこみや衝撃でも中の部品が破損していることがあります。ボディがガタついていたり、振ると音がするようなときは、絶対に自分でネジ回しで開けたりしないでください。どのメーカーにも故障の相談に応じるサービス部門がありますから、そこに持っていくことをおすすめします。
不運にも部品交換が必要な故障でも、日本では経済産業省によって各メーカーは製品の製造を打ち切った時点から、初級機で五年、中級機で七年、高級機で十年間、補修用性能部品を保有することが義務づけられているので、部品。の在庫さえあれば助かる可能性もあります。いずれにせよ、カメラは自分の体と同じだと思って、メンテナンスには十分に気を配ってやりたいものです。次々と最新型のカメラに買い替える人もいますが、ボディのあちこちにキズやへこみができ、角がすり減って黄銅の地金が顔を出しても、鏡胴の黒い焼付けが手擦れで白っぽくなったレンズとともに使いつづけている人もいます。
ボディのキズやへこみは誰にとっても残念な。ものですが、それも時とともに癒え、やがてそのカメラのチャームポイントにさえなってゆきます。たとえキズはあっても、手入れのゆき届いたカメラからは、その人の愛機への信頼と写真に対するボルテージの高さが伝わってきて、思わず心の中で脱帽してしまいます。カメラのボディは頑丈な金属や強化樹脂でつくられているので、多少乱暴に扱ったぐらいで壊れることはありませんが、何度も言うようですが、内部はデリケートな精密機械であることに変わりはありません。毎回とはいいませんが、たまには撮影前にボディからレンズを外して、レンズの表面に指紋や小さなホコリがついていないか点検してみてください。
指紋はレンズクリーナーを使い、表面に傷をつけないようていねいに拭き取ります。ボディの中や裏蓋を開けてよく見ると、パトローネを入れる場所や巻き取りスプールに細かいホコリがついているものです。ブロアーで空気を強く吹きつけ、ゴミやホコリを飛ばしてやります。このような清掃作業を怠っていると、思わぬときに大切なコマにホコリの影が写ってしまい、泣くに泣けない思いをすることがあります。
雨からカメラを護るのに筆者が重宝しているのが、ホテルに備えてあるような、透明ビニール製の使い捨てシャワーキャップです。縁にゴムがついているのでとても便利です。三脚を使う場合も、これをカメラの上からかぶせるようにしています。雨の日は大き目の傘をさして撮影しますが、少し降りが強いときは、ゴルフ用の上下のレインウェアで武装します。撮影が終わったら、乾いた布でカメラの隅々まで注意深く拭き取ってやります。
カメラは、何かの拍子に落としたりぶつけたり、思わぬアクシデントに見舞われることがありますが、外傷だけで判断するのは危険です。カメラは高級品になると一千個にもおよぶ部品から組み立てられているので、少しのへこみや衝撃でも中の部品が破損していることがあります。ボディがガタついていたり、振ると音がするようなときは、絶対に自分でネジ回しで開けたりしないでください。どのメーカーにも故障の相談に応じるサービス部門がありますから、そこに持っていくことをおすすめします。
不運にも部品交換が必要な故障でも、日本では経済産業省によって各メーカーは製品の製造を打ち切った時点から、初級機で五年、中級機で七年、高級機で十年間、補修用性能部品を保有することが義務づけられているので、部品。の在庫さえあれば助かる可能性もあります。いずれにせよ、カメラは自分の体と同じだと思って、メンテナンスには十分に気を配ってやりたいものです。次々と最新型のカメラに買い替える人もいますが、ボディのあちこちにキズやへこみができ、角がすり減って黄銅の地金が顔を出しても、鏡胴の黒い焼付けが手擦れで白っぽくなったレンズとともに使いつづけている人もいます。
ボディのキズやへこみは誰にとっても残念な。ものですが、それも時とともに癒え、やがてそのカメラのチャームポイントにさえなってゆきます。たとえキズはあっても、手入れのゆき届いたカメラからは、その人の愛機への信頼と写真に対するボルテージの高さが伝わってきて、思わず心の中で脱帽してしまいます。カメラのボディは頑丈な金属や強化樹脂でつくられているので、多少乱暴に扱ったぐらいで壊れることはありませんが、何度も言うようですが、内部はデリケートな精密機械であることに変わりはありません。毎回とはいいませんが、たまには撮影前にボディからレンズを外して、レンズの表面に指紋や小さなホコリがついていないか点検してみてください。
指紋はレンズクリーナーを使い、表面に傷をつけないようていねいに拭き取ります。ボディの中や裏蓋を開けてよく見ると、パトローネを入れる場所や巻き取りスプールに細かいホコリがついているものです。ブロアーで空気を強く吹きつけ、ゴミやホコリを飛ばしてやります。このような清掃作業を怠っていると、思わぬときに大切なコマにホコリの影が写ってしまい、泣くに泣けない思いをすることがあります。
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